たなおろス。

妄想癖・脱線症と戦いながら、映画や本、世事について、思ったことを 棚卸し(たなおろし)するブログ。

2008年2月の読書

『贖罪』 イアン マキューアン 小山 太一
『狐罠』 北森 鴻
『古道具中野商店』 川上 弘美
先端で、さすわさされるわそらええわ』 川上 未映子
『ナイフ投げ師』 スティーヴン・ミルハウザー 柴田 元幸
『猫にかまけて』 町田 康
『猫のあしあと』 町田 康
『悪夢のサイクル―ネオリベラリズム循環』 内橋 克人
『死刑囚 最後の晩餐』  タイ トレッドウェル ミッシェル バーノン
本棚』  ヒヨコ舎

贖罪 狐罠 古道具中野商店 (新潮文庫 か 35-7) 先端で、さすわさされるわそらええわ ナイフ投げ師 
猫にかまけて 猫のあしあと 死刑囚 最後の晩餐 悪夢のサイクル―ネオリベラリズム循環 本棚

『骨董自在ナリ』 勝見 充男
『美しいもの』 赤木 明登
『骨董の眼利きがえらぶ ふだんづかいの器』 青柳 恵介
『Love Kitchen-世界のキッチンマニア―食で働く28人のプライベートスペース』
『GIRLS KITCHEN―TOKYO DINING〈2〉』
『イタリアの家庭風パスタとフライパンでも焼けるピッツァ 』 パンツェッタ 貴久子
『家庭で作れるロシア料理 』荻野 恭子 沼野 恭子
『少しのイーストでゆっくり発酵パン』 高橋雅子

骨董自在ナリ 美しいもの 骨董の眼利きがえらぶ ふだんづかいの器 Love Kitchen-世界のキッチンマニア―食で働く28人のプライベートスペースを公開 GIRLS KITCHEN―TOKYO DINING〈2〉
イタリアの家庭風パスタとフライパンでも焼けるピッツァ 家庭で作れるロシア料理 ダーチャの菜園の恵みがいっぱい! 少しのイーストでゆっくり発酵パン—こんな方法があったんだ。おいしさ再発見!

  1. 2008/02/29(金)
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世のパンチラ需要

当サイトにご訪問される方で、意外に多い検索キーワードが「パンチラ」。
とはいっても、パンチラ画像を載せたわけでもなく、私がパンチラと書いたことといえば、ただ一つ。「オタク・イン・USA」の記事に書いた「白鳥ジュンのパンチラ」であり、これはパトリック・マシアス&町山智浩著の『オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史』の本について書いたものである。
それ以降、白鳥ジュン+パンチラで検索してお越しになる方もいれば、リン・ミンメイ+パンチラという変則でいらっしゃる方あり。

そんなある日、一度素通しした後、我が目を疑った。目に飛び込んできたのは・・・

「絲山秋子のパンチラ」

一体誰ですか、こんなの検索したのは(笑)。
もちろん、私が「絲山秋子のパンチラ」について書いたことなどあるわけもなく、検索でよくある別記事の複合の産物である。絲山女史の本の記事と上記の記事の。

それにしても、本当にそんな想像を絶する事態があったのか?
万が一あったとしてそんなニッチなニュースが流れるだろうか?
希望的観測で検索をしたのなら、かなりの秋子マニアではないか?
謎が謎を呼ぶ。
ならば、検索をしてみた方が早い・・・・てなわけで、してみた。

結果からいうと、そんな事実は一つもなかった。
当ブログのように、たまたま2つのキーワードが組み合わさっただけ。
この調査はいとも簡単に終わった。
なぜなら、グーグルでたった10件しかヒットしなかったから(笑)。→検索結果

その中で、芥川賞の関連記事があったと思ったら、今回芥川賞を受賞した川上未映子女史のパンチラに関したものだった。同じ芥川繋がりでも、こちらは違和感無いな・・・と妙に納得(してどうする)。
これは乗りかかった船だと、「川上未映子のパンチラ」で検索してみれば、出るわ出るわの大漁祭り。しかも、こちらは正真正銘の川上未映子のパンチラネタであって、「芥川賞・直木賞贈呈式 川上未映子のパンチラ狙いにマスゴミが群がる」というニュースも。皆さんホンマにパンチラ好きねんなー(未映子風)。

・・・・と、そこでようやく、はたと気付く。もしや・・・ひょっとして・・・・・・

「絲山秋子のパンチラ」が検索された日を調べてみる。
2月22日。
2月22日といえば、第138回芥川賞・直木賞贈呈式。

ということは・・・つまり、
誰か、秋子さんと未映子さんの名前を 入力し間違えましたね?

それとも、なんですか、これを機に歴代受賞女流作家のパンチラ事情を調べようとでも思ったんですかね?
う〜ん、分からん。分からんが、紛らわしい。
おかげで私の頭の中には実存しない絲パン画が・・・(※私は女です)。

さて、私がこの記事を書いたことで、正真正銘、「絲山秋子のパンチラ」 なるキーワードが存在することになった。これぞ世界で唯一無二!
が、しかし、再びこのキーワードが検索されることはあるのだろうか?何年後?
これによって、期待外れをさせて誰かに迷惑掛けることもないだろう(同じ人がまた検索されてきたらごめんなさい)。

それよりも、白鳥ジュンパンチラ映像を求めて訪問されてきた方々を肩透かしさせているだろうことの方が心配だ(この検索はコンスタントに途切れることがない)。
本の紹介とはいえ、「オタク・イン・USA 」に登場するような少年たち、団塊世代の中年男性たちに失望を与えてしまったことを、この場をお借りしてお詫び申し上げます。
お詫びのしるしとして、ご所望のものを。ごゆるりとご鑑賞あれ。

↓マウスをオンすると変わります。

白鳥ジュン

かもめ食堂でもおなじみのガッチャマンソング。
あ、オープニングからパンチラってるし。



  1. 2008/02/26(火)
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作家の本棚

人んちの本棚を見るのって楽しい。台所と同じくらい。
本棚や台所がひたすら紹介されている本はつい手に取ってしまう。
その人が何を読んでいるかだけじゃなく、本棚のしつらえや本の並べ方、隙間の使い方に個性が出る。整然と作家別やジャンル別に並べる人もいれば、上下逆さまになっていたり上下巻が散り散りなっている人。書店のカバーをかけたままの人もいれば、表紙カバーを取り去ってむき出しにする人。食器棚の器の並べ方にも通ずる。

本棚出版されたばかりの『本棚』をパラパラめくっていたら、川上未映子と桜庭一樹が。折りしも、この本の発売日の二日前に芥川賞・直木賞の発表があったばかり。なんとタイムリーなんでしょう。この本に登場する人は15人、作家となるとその半数以下、今をときめくご両人が揃った的中率(笑)。見越していたのか、偶然か・・・ヒヨコ舎。ゆえに、本の中での二人の紹介文には、まだ芥川・直木のハクがついていない。(川上未映子は文筆歌手となってるし)

登場するのは、
穂村弘/山本幸久/角田光代/長崎訓子/みうらじゅん/喜国雅彦/大森望/中島らも/金原瑞人/宇野亜喜良/吉野朔実/川上未映子/山崎まどか/石田衣良/桜庭一樹

本棚だけではなく、机やイス、周辺小物なども写っているので、妙齢の女子(?)のお部屋拝見みたいな(笑)。
川上未映子がガーリーなスカート姿で仕事机の前に佇み(川上未映子は机の前に座っているだけで絵になるので得だなぁ)、桜庭一樹の本棚の前にはガーリーなブーツがでんと鎮座まします(桜庭さんちは玄関にいきなり本棚がある)。
角田さんちの本棚は作家の読書道にもチラッと写っているが、『GIRLS KITCHEN』では台所とリビングも披露していた(ゴハンはいつも同居人と食べると書いてあったが、伊藤たかみ氏のことだろう)
角田さんと川上さんのどちらにも『ことばの食卓』(武田 百合子)があった。
その他、イメージ通りの、床が抜けそうな大森望に、多趣味なみうらじゅんetc.

ちなみに、柳下毅一郎がブログで、
「『本棚』(ヒヨコ舎)という他人の書棚を撮った本が出ているが、誰もぼくのところには取材に来てくれないので、自分で撮ってみた。」 と書いていて笑った。
その本棚がこれ→ 柳下毅一郎の本棚 柳下毅一郎の殺人本棚
女子の本棚なんてのもありますね。

一個人×本棚 

一方、『一個人』3月号の特集「人生、最高に面白い本」では、大御所の書斎が勢ぞろい。
阿刀田高/石田衣良/小松左京/早乙女貢/佐高信/高橋三千綱/筒井康隆/夏樹静子/西村京太郎/花村萬月/室井佑月/森村誠一

やはりここにも出たか、石田衣良(笑)。室井佑月のインテリアと思いっきり被っているのは悔しかろう・・・。(その対極が佐高信、足の踏み場も無い)
そんなスタイリッシュでモダンな若い二人に対し、大御所の書斎はカラーが出ていて面白い。
手書き原稿でパソコンが無い方、年齢に割りにパソコンを使いこなす方。
どっしりと重厚なしつらえの中で、なんだか親近感のわく森村誠一氏とか(笑)。

最近本屋に行ったら、今度は『本棚三昧』というのが出ていた。
こちらはひたすら本棚ばかりを集めた本棚の写真集といった感じ。

  1. 2008/02/20(水)
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先端で、さすわさされるわそらええわ

週末に通っているスポーツジムでは、まずエアロバイクから始める。
真夏でも激辛料理でも汗が出ない代謝の悪さゆえ、ここで強制的に搾り出す。
この時に欠かせないのが、本。Tシャツ忘れても、本忘るべからず。
ジムとバスタイムのマストアイテムである。
以前は先ず最初に音楽を聴きながらトレッドミルだったのが、より楽な方へと流れ着いた。

本の面白度でその日のエアロバイク時間(=汗の量)が決まる。
脳と体は非常に分かりやすい関係で、読書に熱中していると時間を忘れ、本が面白いと疲れも忘れる。全身全霊で本に集中すれば、足は別の生き物と化して勝手にペダルを漕いでくれる。時々、エアロしながら読書なのか、読書しながらエアロなのか分からなくなる。
逆に、持ってきた本がつまらなかった時は地獄だ。ペダルを漕ぐ足は重く、時間は遅々と進まず、足以外の器官が暇を持て余してヒマだヒマだとうるさいったりゃありゃしない(そんな時は、さっさと切り上げて他にマシーンに移るに限る)。
だから、ジムに行く時にどの本をお供にするか、はとても重要である。

先端で、さすわさされるわそらええわ今週選んだエアロバイクの友は、川上未映子の「先端で、さすわさされるわそらええわ」。ええ、かなり実験的冒険的試みです(笑)。未映子さんの本は「イン歯ー」「乳と卵」に続いて3冊目で、その辺(どの辺?)は重々承知の上。爽やかな運動とはどう考えても対極にある、漕ぎ合わせの悪さは織り込み済みの選択である。
いかんせんタイトルが、公衆の面前で読むにはどうなんだ。

しかし、彼女独特の途絶えることの無い長文とリズムは、ペダルを回転させるリズムに意外にもマッチした。薄暗いキッチンでさこん、さこんと切り落とすシイタケの茎が犬の足に・・・いつしか三映子ワールドに没頭し始めていた頃、はっと我に返った。
ちょうど最初の表題作の短編が終わったところで、左のページに大きめのタイトルが目に飛び込んできた。

コレ → 少女はおしっこの不安を爆破、心はあせるわ (クリックで拡大)

って、私の心もあせるわ。
気付くと周辺のエアロバイクは埋まっており、速攻でページを捲る。

「ちょっきん、なー」は、「乳と卵」にも少しだけ出てきたように、著者自身の髪質から起因する髪への関心が元になっているのだろう。この少女の緑色のペンで書かれた告白は、「乳と卵」の緑子の小さい頃を想像させる。
手首を押してポコポコ出た丸いものの数が将来産む子供の数というやつ。あれは全国区だったんだ。ペダルを漕ぎながら、私の体は小学校の教室での1コマへと飛んでいく。
懐かしさのあまり無意識に手首にぷっくりを作っていたようだ。が、そこに突然ハサミを突き立てられ髪の毛束をこじ入れられ(作中の顛末)、ひぃぃぃとエアロバイクの上でのけぞる。

どう考えても怪しい挙動。慌てて何事も無かったかのようにペダルを漕ぐ。
しばらく心を落ち着かせてのち、左ページに待機していたタイトルに目をやれば、

コレ → 彼女は四時の性交にうっとり、うっとりよ (クリックで拡大)

油断ならんわ。この本、満員電車で読むには注意が必要。

「象の目を焼いても焼いても」の”象・図書館・放火”の三点セットとくれば、どうしても村上春樹を連想させる。そういえばこの短編、『東京奇譚集』のテイストにも少し似ている。
「告白室の保存」も結構好き。

結局、エアロバイクをしながらの完読となった。

東京奇譚集「象の消滅」 短篇選集 1980-1991ふしぎな図書館 (講談社文庫 (む6-33))海辺のカフカ (上) (新潮文庫)東京奇譚集
「象の消滅」 短篇選集 1980-1991
ふしぎな図書館
海辺のカフカ

  1. 2008/02/15(金)
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スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

囚人服にしか見えないスウィニーのマリンルック。

Sweeney Todd By The Sea
ミセス・ラベットに囚われ放心状態

ティム・バートン×ジョニー・デップの初コラボ作品「シザーハンズ」から17年。
シザーハンズのラストは美しくも悲しかった。
今作のラストもやはり悲しくて美しかった。

日本の映倫はR-15指定で、R-18の国も多かった(アメリカはR)。
イギリスや韓国・カナダなどでは、17歳は観られないのだ。
バートン好きなのにこの厳しいレーティングと巷の噂にひるんだ私は、直前になって「アースにしませんか」と進言。相方から「臆病者め。克服しろ」と軽く却下。

観終わって、満足げな様子の私にそら見たことかと。悔しいが認める。
しばらくミートパイが食べられないって?そんなことはありません。
閑古鳥鳴いていたリニューアル前のパイは萎えるけど。

Sweeney Todd meat pie 
原材料:アラン、サシャ、ティモシー他多数。味の決め手はコリアンダー

シュッ、ドバッ、カチャン、ドサッ。シュッ、ドバッ、カチャン、ドサッ。
最初のうちはリズムに合わせて目を瞑っていたが、途中から面倒くさくなって直視。血は絵の具風だし、被害者たちは苦痛や恐怖で顔を歪ませることもなく、人形のように淡々と処理されていくので意外と平気。これは寓話なのだから。
悪趣味でコミカル。これぞティム・バートン。

婚約者を横恋慕のため無実の罪で投獄されて復讐を果たす「モンテ・クリスト伯」、血で血を洗う復讐のスパイラルの末に愛する者の人肉パイを食べさせ究極の復讐を果たす「タイタス・アンドロニカス」。
スウィーニー・トッドのきっかけはモンテ・クリストと同じでも、辿る悲劇はタイタス。
ただ、今作のラストはある意味ハッピーエンド。トッドにとっても未来ある若者たちにとっても。ミセス・ラベットは・・・・・。

飲食店の成功の鍵は、食材調達の合理化、調理の効率化、品質の向上と低コストの実現。これを全てクリア(?)したミセス・ラベットのパイの店は大繁盛。
原価は限りなくゼロに近く、生産性と労働力のロスを無くすためにイスを改造。
2階の屠殺場(理髪店)→地下の調理場→1階のレストラン、が一体化したシステマティックな仕組み。パイが品切れになっても、食材が入荷(入店)すれば即座に供給可能なのだ(そのままスウィーニーが調理すればさらに生産性アップするでしょう)。

ミセス・ラベット店が繁盛して心に抱くは愛する人との海辺の生活。
ヘレナ・ボナム=カーター扮するミセス・ラベットはいつも夢見がち。彼女の言動や妄想にスウィーニーの方が気圧され気味。
母性本能もたっぷりで、奴隷同然のところを引き取ったトビーも彼女の将来プランにちゃんと存在。このトビーを演じたエドワード・サンダース君はすでにドミニク・ウェスト顔。将来が楽しみ。

加工ミンチは何が使われているか分からない。今さら偽装問題で驚かない。
段ボール饅頭、ミートホープ・・・原価を下げて化学調味料で味付け。
ファーストフードのハンバーグに猫や鼠、ミミズといった都市伝説。
知らぬが仏。コリアンダーを効かせたミセス・ラベットのパイにお客は舌鼓を打つ。
「タイタス」「レッドドラゴン」でも、美味しそうに食べる人々。
人肉料理選手権ならサー・ホプキンスの右に出るものはいない。

Anthony Hopkins
右の原材料は下手なフルート演奏者

「タイタス」の方が残虐で、圧倒的に生々しく、しばらく食欲が失せたものです。

Titus
原材料:一級品

同じく知らぬが仏の「フレッシュ・デリ」「デリカテッセン」「人肉饅頭」、意外なところで「フライド・グリーン・トマト」。

タイタス フレッシュ・デリ レッド・ドラゴン ハンニバル デリカテッセン コックと泥棒、その妻と愛人 八仙飯店之人肉饅頭 フライド・グリーン・トマト

ベン・キングズレーのスウィーニー・トッドも観てみたい。

B00005G0E2スウィーニー・トッド
ベン・キングスレー ジョン・シュレシンジャー
アルバトロス 2000-03-25

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  1. 2008/02/02(土)
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