
ミセス・ラベットに囚われ放心状態
ティム・バートン×ジョニー・デップの初コラボ作品「シザーハンズ」から17年。
シザーハンズのラストは美しくも悲しかった。
今作のラストもやはり悲しくて美しかった。
日本の映倫はR-15指定で、R-18の国も多かった(アメリカはR)。
イギリスや韓国・カナダなどでは、17歳は観られないのだ。
バートン好きなのにこの厳しいレーティングと巷の噂にひるんだ私は、直前になって「アースにしませんか」と進言。相方から「臆病者め。克服しろ」と軽く却下。
観終わって、満足げな様子の私にそら見たことかと。悔しいが認める。
しばらくミートパイが食べられないって?そんなことはありません。
閑古鳥鳴いていたリニューアル前のパイは萎えるけど。

原材料:アラン、サシャ、ティモシー他多数。味の決め手はコリアンダー
シュッ、ドバッ、カチャン、ドサッ。シュッ、ドバッ、カチャン、ドサッ。
最初のうちはリズムに合わせて目を瞑っていたが、途中から面倒くさくなって直視。血は絵の具風だし、被害者たちは苦痛や恐怖で顔を歪ませることもなく、人形のように淡々と処理されていくので意外と平気。これは寓話なのだから。
悪趣味でコミカル。これぞティム・バートン。
婚約者を横恋慕のため無実の罪で投獄されて復讐を果たす「モンテ・クリスト伯」、血で血を洗う復讐のスパイラルの末に愛する者の人肉パイを食べさせ究極の復讐を果たす「タイタス・アンドロニカス」。
スウィーニー・トッドのきっかけはモンテ・クリストと同じでも、辿る悲劇はタイタス。
ただ、今作のラストはある意味ハッピーエンド。トッドにとっても未来ある若者たちにとっても。ミセス・ラベットは・・・・・。
飲食店の成功の鍵は、食材調達の合理化、調理の効率化、品質の向上と低コストの実現。これを全てクリア(?)したミセス・ラベットのパイの店は大繁盛。
原価は限りなくゼロに近く、生産性と労働力のロスを無くすためにイスを改造。
2階の屠殺場(理髪店)→地下の調理場→1階のレストラン、が一体化したシステマティックな仕組み。パイが品切れになっても、食材が入荷(入店)すれば即座に供給可能なのだ(そのままスウィーニーが調理すればさらに生産性アップするでしょう)。
店が繁盛して心に抱くは愛する人との海辺の生活。ヘレナ・ボナム=カーター扮するミセス・ラベットはいつも夢見がち。彼女の言動や妄想にスウィーニーの方が気圧され気味。
母性本能もたっぷりで、奴隷同然のところを引き取ったトビーも彼女の将来プランにちゃんと存在。このトビーを演じたエドワード・サンダース君はすでにドミニク・ウェスト顔。将来が楽しみ。
加工ミンチは何が使われているか分からない。今さら偽装問題で驚かない。
段ボール饅頭、ミートホープ・・・原価を下げて化学調味料で味付け。
ファーストフードのハンバーグに猫や鼠、ミミズといった都市伝説。
知らぬが仏。コリアンダーを効かせたミセス・ラベットのパイにお客は舌鼓を打つ。
「タイタス」「レッドドラゴン」でも、美味しそうに食べる人々。
人肉料理選手権ならサー・ホプキンスの右に出るものはいない。

右の原材料は下手なフルート演奏者
「タイタス」の方が残虐で、圧倒的に生々しく、しばらく食欲が失せたものです。

原材料:一級品
同じく知らぬが仏の「フレッシュ・デリ」「デリカテッセン」「人肉饅頭」、意外なところで「フライド・グリーン・トマト」。

ベン・キングズレーのスウィーニー・トッドも観てみたい。
![]() | スウィーニー・トッド ベン・キングスレー ジョン・シュレシンジャー アルバトロス 2000-03-25 by G-Tools |


